瞳(虹彩)の色ってパーソナルカラーに関係あるの?
本題に入る前に少しパーソナルカラーの歴史について触れてみたいと思います。
パーソナルカラーの原点といえば1920年代にロバート・ドアの発案した色彩調和論「カラーキープログラム」と言われています。
「この調和論では、自然界に見える全ての色はイエローベースとブルーベースに分けられ、それぞれのグループ内の色同士であれば調和し、グループ以外の組み合わせは不調和であると提唱しています。
人も同様にイエローベースとブルーベースに分けられ、同じグループの色がすなわち似合う色であり、また人は自然に自分と同じ色みを好むとされています。」
(トミヤマ マチコ著 ThE パーソナルカラー、パーソナルカラー総論 P7から引用)
1970年代に「カラーキープログラム」を継承した流れとして、お馴染の「フォーシーズン分類法」が開発され、バニース・ケントナー著「カラーミーアシーズン」やキャロル・ジャクソン著「カラー・ミー・ビューティフル」と共にアメリカで大人気となり1980年代に、日本に渡来しました。
以上パーソナルカラーの誠にざっとした歴史を書きましたが、当スクール校長のトミヤマ マチコは30年以上パーソナルカラー及び、色が人肌に視覚的に与える効果(色彩効果)一筋にやってきた中で、蓄積された膨大な診断データの基、パーソナルカラーを客観的、理論的に体系化してきました。
その中で、トミヤマ マチコは、色のみならず、肌や服の素材の質感が及ぼす変化「清濁」の属性を発見し、「色相(ベース)」「明度」「彩度」「清濁」の4属性の観点から総合的に診断するパーソナルカラーを提唱してきました。
このパーソナルカラー理論は広く理解を得て、この理論を基に作られた。
NPO日本パーソナルカラー協会主催の「色彩技能パーソナルカラー検定®︎」は年間およそ5000人が受験する検定へと成長しました。
(※現在、トミヤマ マチコはNPO日本パーソナルカラー協会を退任しており、貴協会とは無関係です。)
話を本題に移しますと、アメリカから入ってきたパーソナルカラーをそのままの診断方法で日本へフィットするには、無理があると思います。
その中の一つが今日のテーマである「瞳の色とパーソナルカラー」の関係です。
WEBサイトや雑誌などの自己診断で「瞳の色は何色ですか?」という質問項目を見たことがある方もいると思います。
この「瞳の色は何色ですか?」というのはまさにアメリカから入ってきた30年前のパーソナルカラーがそのままの形で使われている例です。
瞳の色は基本的にブラウン、アンバー、グリーン、グレー、ヘーゼル、ブルー、の6種類に大別され、さらに細かく分ければ20種類以上に分けられます。
色々な人種の方がいるアメリカでは、瞳の色も一目瞭然で違い、多種多様に存在します。
これだけの違いがあれば、瞳の色がパーソナルカラー診断へ多少なりとも影響することもあります。
一方、大半のアジア系の人々や日本人はブラウン系に属しています。
そのブラウン系を細分化して4シーズンに分類すると下記の様なイラストになります。
似た様なイラストを見たことありませんか?
正直に言って、その違いはとても微妙なものです。
瞳の色面積と顔や体の面積を比較した時、その影響は限りなく無に近いです。
鏡に顔を思いっきり近ずけて確認しなければわからないほどの違いは、パーソナルカラーを特定する上で関係なく、むしろ曖昧な診断基準を増やすことにより間違った診断結果を導くリスクの方が遥かに大きいです。
また虹彩のパターン(形)をパーソナルカラーの判別方法として紹介しているメディアも多々ありますが、本末転倒です。形を見ても色は診断できませんし、その逆もまた同じです。
これは、「なんでもイメージに結び付けてしまえ!」というパーソナルカラーをキャッチーに広める過程で生まれた間違ったパフォーマンスの一種で、それが巡り巡ってまるで真実かのように広まっています。
残念なことにプロと名乗る方々も何の疑いもなく信じている方が大勢います。
パーソナルカラーは複数のカラードレープをあてて、人という「複雑な構造の物体色」に対して似合う色調域を診断するものです。
あなたの瞳の色がスプリングだからとか、スキントーンがイエローベースだからとかで「あなたのフォーシーズンはスプリング」というような単純なものではありません。
スキントーンがイエローベースだからイエローベースが似合うわけではなく、そのイエローベースのお肌に似合う色調域を見つけるのが、パーソナルカラーです。
イエローベースの人にブルーベースでバランスを取る場合もありますし、ほかの属性で調子を整えたりもします。
その結果、似合う色のベース自体はイエローベースかもしれませんし、ブルーベースかもしれません。